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北林加奈子
「瞼ごしの、または瞼のおくの」
(会期)2023年 11月24日~12月18日 ※終了しました
(オープン)金・土・日・月
月・金:13:00~18:00 / 土・日:12:00~17:00
(クローズ)火・水・木
(会場)MONO.LOGUES
〒164-0001 東京都中野区中野5-30-16 メゾン小林101
(入場料)無料
E-mail: info@monologues.jp
WEB: www.monologues.jp
Instagram: www.instagram.com/mono.logues_/
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※ 当スペースにはお手洗いおよび駐車場がございません。予めご了承ください。
MONO.LOGUESでは11月24日(金) 〜 12月18日(月)まで、北林加奈子による個展「瞼ごしの、または瞼のおくの」を開催致します。
北林加奈子は異素材を組み合わせた彫刻や、空間特性を考慮したインスタレーション作品を制作しています。
彫刻作品は陶を土台に糸やガラス、ウールなど様々な素材を用いて、彼女の制作テーマの要素である、皮膚という感覚器を暗示させる作品へと変容させています。
制作過程では特に素材の特質性を考察し、見る者の感受を促すような質感の構成に重きを置いています。そして、不思議な装いに形作られた作品はどこか有機体のようでもあり、触覚的な役割をはたしながら、自身以外の他者との関わりを繊密に図ろうとしています。
一方、彫刻作品から展開されるインスタレーションでは、はじめに展示空間の構造自体を把握した後、設置する作品同士の関係性を入念に考慮した上で配置していきます。その感触と感情を確かめながら行う一連の行為は、彼女がいう "目に見えないものへの尊さ" そのものを想起させます。そして、広大な世間と意思疎通をはかるように、空間に確かな気配をもたらします。
今回は、無機質でゴツゴツとしたMONO.LOGUESの空間で、北林加奈子が "小さな実験" を行います。是非お気軽にお越しください。
眠れない夜、布団の中で呼吸を整えながらじっとしている時。
眼が忙しなく動き、見つめる対象を探すのをなかなかやめてくれないことがある。
そのうちに瞼越しにぼうっと浮かび上がる像は、
とても不完全で、じっくり観察しようとしてもすぐに姿を変えてしまう。
今日観た気になったこと、誰かの表情、気に入った形、引っかかった言葉、嫌だった感触など、
私の感情に紐づいた様々な記憶や感情、風景、匂い、音が溶けて混じり合い、辻褄も合わない。
"瞼"が私の内側と外の世界の間にあるカーテンのようなものだとしたら、
そのカーテンの裏側にうつるイメージをわたしはこうして小さな部屋のなかで日々眺めている。
そのいくつかの断片をここに繋ぎ止めるようにして、形にしてみたいと思う。
- 北林加奈子 -
mora_瞼 / 2022
陶、革紐、鈴、糸/ w10×h7×d10 cmを主体とする可変サイズ
感応と交信-4 / 2020
陶、ファイバー線名札、革紐、鈴/ h22×w20×d10 cm
こそばゆい風景-2 / 2023
陶、紙糸/ h6×w13×d20 cm
北林加奈子 / Kanako Kitabayashi
1990年東京都出身。多摩美術大学美術学部工芸学科陶専攻卒業、
東京藝術大学大学院美術研究科彫刻専攻修了。
陶に糸や木、ガラス、ウールなどの異素材を掛け合わせる彫刻、インスタレーションを中心に作品を発表。肌触りや気配を主題とした作品は、見る者の触覚を刺激し、日常の記憶の断片や自分自身と外界の繋がりを思い起こさせる。
主な展示に、「クリテリオム94 北林加奈子」(水戸芸術館 現代美術ギャラリー/水戸/2018)、「インクルーシブ・サイト-陶表現の現在」(千葉市美術館 /千葉/2022)、「mora」(DiEGO表参道/東京/2022)などがある。
installation view